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「探偵、君は新聞を読まないのかい。今、世間は護憲運動とやらで大盛り上がりだ。
あちこちで民衆がデモを起こしたり、政府批判演説をしたりで、警察はその取締で手一杯だ。
田舎の事件になんか、とても構ってられないんだ」
私は説明する。
「なるほど、それで警察が使えないんで僕のところに来たのか。
ほれ、茶だ」
大鳥は湯飲みを手渡す。
「それで、どうなんだ。依頼を受けてくれるのか」
「他ならぬ広瀬君の頼みだ。嫌とは言えないよ。
少ししたら出るぞ。ついて来てくれ」
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