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そんな中、ヤツは違った。
「別に誰も、『人間』の犯行だなんて言ってないぜ」
「「「へ?」」」
今まで一言も喋らなかった会長が、口を開いた。
私達は一斉に会長を見る。
「想、どういうことよ?何でそんなことが分かるの?」
「鍵は、俺のてるてる坊主にあった。
この斜めに引かれた線。よく見ると、変わった形をしている。
わかるか?」
会長が私を見た。
慌てて、てるてる坊主に視線を移す。
「えーと…………………三本に分かれてる?」
「正解」
ぐちゃぐちゃになっていて分かりづらいけど、泥で引かれた線は、三又に分かれていた。
毛先の割れた筆のように。
「ここで、こいつの登場」
ドンっ、と重たい音がして、机の上に、本が置かれた。
【鳥図鑑】
「……あ。そういうことですか………」
翼君が図鑑を開いて声をあげた。
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