FILE2 てるてる坊主殺傷事件

16/17
35人が本棚に入れています
本棚に追加
/188ページ
そんな中、ヤツは違った。 「別に誰も、『人間』の犯行だなんて言ってないぜ」 「「「へ?」」」 今まで一言も喋らなかった会長が、口を開いた。 私達は一斉に会長を見る。 「想、どういうことよ?何でそんなことが分かるの?」 「鍵は、俺のてるてる坊主にあった。 この斜めに引かれた線。よく見ると、変わった形をしている。 わかるか?」 会長が私を見た。 慌てて、てるてる坊主に視線を移す。 「えーと…………………三本に分かれてる?」 「正解」 ぐちゃぐちゃになっていて分かりづらいけど、泥で引かれた線は、三又に分かれていた。 毛先の割れた筆のように。 「ここで、こいつの登場」 ドンっ、と重たい音がして、机の上に、本が置かれた。 【鳥図鑑】 「……あ。そういうことですか………」 翼君が図鑑を開いて声をあげた。
/188ページ

最初のコメントを投稿しよう!