FILE4 ここは宝島

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「どうしたの?」 棚の陰に翼君はいた。 声をかけると、 「これを見てください」 翼君は棚の陰に鎮座している物体を指差した。 それは、ダイヤル式金庫。 四桁の数字を入れれば、鍵が開くタイプ。 「それがどうしたの?」 「いや、どかそうと思ったんですけど……予想以上に重くて」 「うん……1人で動かそうとした心意気に敬意を」 見るからに頑丈そうな金庫は当然1人じゃ持ち上がるはずない……というか持ち上がったら、防犯上問題がある。 「じゃあ、片側持つよ」 2人で挑戦してみた。 「す……少し……」 「……浮きまし……た……ね」 浮いただけで動かす事はできなかった。
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