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「どうしたの?」
棚の陰に翼君はいた。
声をかけると、
「これを見てください」
翼君は棚の陰に鎮座している物体を指差した。
それは、ダイヤル式金庫。
四桁の数字を入れれば、鍵が開くタイプ。
「それがどうしたの?」
「いや、どかそうと思ったんですけど……予想以上に重くて」
「うん……1人で動かそうとした心意気に敬意を」
見るからに頑丈そうな金庫は当然1人じゃ持ち上がるはずない……というか持ち上がったら、防犯上問題がある。
「じゃあ、片側持つよ」
2人で挑戦してみた。
「す……少し……」
「……浮きまし……た……ね」
浮いただけで動かす事はできなかった。
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