黄昏を歌う

4/6
前へ
/1398ページ
次へ
 そこで神様は獣の魂を二つに分けて、人間の女と男の体にうえつけました。  そして、神様は獣たちを産む《樹》の種と《泉の水》を取りに行かせました。  獣たちは《樹》の花から生まれ、死すれば《涙》から湧き上がる《泉》に還れるように。  魂の再生を待つ場所としてその二つが与えられたのです。  永遠に、ここで生きられるように。  ここで戦えるように  命をつむげるように……  神様は一言「時を、秩序を守るために―――化け物を、《禍》を殺してください」  そう残して目を閉じました。  神様は力を使い果たして、魂をいやすために眠りについたのでした。
/1398ページ

最初のコメントを投稿しよう!

901人が本棚に入れています
本棚に追加