901人が本棚に入れています
本棚に追加
*****
夜のことだった。
海月が作ったまともな夕食を食べて満腹になったせいかまどろみの中に落ちるすれすれのところで、揺蕩っていた。
そのとき、私の携帯がなった。
バイブにしていた上にベッドの上においてあったため、ヌヌヌという気の抜けた音が、床に転がってまどろんでいた私の耳に届いた。
私はフローリングを這って携帯を手にするとフリップを開く。
携帯にパスワードを打ち込み、受信フォルダを開く。差出人は――I.S 。
真宮 伊武。長、その人の名がそこにあった。私は意識を覚醒させると、メールの内容を読んだ。
「な……!?」
私は跳ね上がるように起き上がる。
こんなことあっていいのか?
こんな命令――こんな。
私は口元を覆った。
「ふふ……ははは……」
漏れたのは怒りでもなんでもない。愉快なわけでもない。
でもおかしくて、笑いが私の中で湧き上がる。
「は……ははははは……」
最初のコメントを投稿しよう!