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「ちっ」
地面を転がって受身を取るとそこに拳が繰り出された。
岩を体に貼り付けたようなそんな化け物だった。
暗くて体の色とかはよくわからない。けれど、赤い目が背にした夜空の黒の中でひどく浮いて見えた。
俺は跳ね上がるようにして、体を起こして鎖を放った。木に巻きついた鎖をひきつけて、俺は拳の雨から逃げ出す。
「うぜぇ……な」
苦々しく呟くと顎に流れた汗を手の甲でぬぐう。
「海月? 私もそろそろ出張りましょうか?」
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