0)20x6.5.30 世界は結局人の周りにしか存在し得ないんだ
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唐突にかけられた声に反射的に振り向きかけたが、行動より先に苦笑がもれた。 「冗談」 そっと俺は耳にぶら下がったリング状のピアスに触れた。 「なさけねぇとこなんてみせれねぇだろ」 自然と笑みがこぼれた。 背後に現れたその気配にどこか忌まわしげに呟くと「ごもっとも」と、笑い声にまじってその言葉が耳に届く。 傷口を爪で撫でる様な後味の悪い感覚を覚えさせた。
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