0)20x6.5.30 世界は結局人の周りにしか存在し得ないんだ

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 ふっと肩越しに朔耶をみやるとあいまいに微笑んで佇んでいた。そしてどこか申し訳なさそうに肩をすくめた。 「少しだけならいいでしょう。少しだけ時間を上乗せしておいて上げます。でも、ちゃんと寮には帰ってくださいね」  朔耶はそういうと、踵を返した。  「ありがとう」  俺は編まれた金の髪が揺れる背中にそういうと彼とは反対のほうへ歩みだす。
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