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ひんやりと冷えた夜の空気はほてった体を包んでゆっくりと熱を奪っていく。
ある程度までは心地がよいけれど一歩過ぎると寒ささえ覚える。
初夏。
あの事件の終結から一年。日付が変われば本当に丁度一年。
何が変わったかというと何も変わっていない気もする。
神様が見る世界に変わりはない。
この世界で人が一人死んだり消えたりすることは微々たる物でしかない。
何せ六七億人近くいるんだ。
でも、世界の定義を変えたらどうなるだろう。
きっと、辞書的な世界の意味より俺達にとっても世界はひどく狭くて、そう、自分の周りのことだけなんだ。
人が感じる世界は結局人の周りにしか存在し得ないんだ。
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