0)20x6.5.30 世界は結局人の周りにしか存在し得ないんだ

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 俺は林が微妙に途切れた場所に乗り捨てて置いたMBに跨ってこぎ始める。体の表面だけが冷えてきて皮膚が突っ張るような感覚を覚えた。  上り坂に差し掛かったあたりでそれはうせたかと思ったけれど、やっぱり寒い。  ふいに視線を横にほうると、盆地に建てられた学園は丁度形が円形なせいか高い所に行くと林を丸くくりぬかれたみたいに見える。  中央の《玉響の泉》から引かれた水の水路が光を放って、妙な明るさを湛えている。
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