0)20x6.5.30 世界は結局人の周りにしか存在し得ないんだ

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 じわりと、体から何かが滲み出てくる。  涙はではない。もう、枯れるほど隠れて泣いた。  感情が体から染み出る――どこか違和感のある感情が体にまとわりついて、気持ち悪い。  坂を下りきると遠心力でその感情を振り払うように路を大きく回った。  中心のほう《樹》へ――《夢宿りの樹》へ自転車を走らせた。
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