始まり

2/6
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/10ページ
7年前の4月3日。 おじいちゃんの家の桜が満開になった日、私は7才になった。 そしてお母さんのお葬式の日になった。 「あの子は?」 「由香里さんの娘の茜ちゃんよ」 「まだ小さいのにかわいそうに」 「由香里さんも若かったのにねぇ」 親戚の人か近所のおばさんが、こそこそ話してるのを私はぼんやりと聞いていた。 幼い私はあまりお母さんが死んだことを理解していなかった。 ただ、もう話せなくなるということはわかってた気がする。 ,
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!