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僕と友人は、いつもの様に僕の部屋の真ん中に置かれた硝子の灰皿を囲んで、だらだらと雑談をしていた。
「何時だったか、お前の家の近くのホテルに行ったよ」
その、僕の家の近所のホテルは、安いが悪い噂は絶えない。近所でありながら僕はそのホテルを使った事は無かった。
「あすこのホテルには、幽霊が出るらしいね? しかもカメラが仕掛けてあるって話じゃあないか? ろくなもんじゃあない」
「何処だったか、大阪だったかな? リアルタイムでホテルで観る事が出来るらしいが、俺らは大阪人と会う機会も無いじゃあないか? こちらから向こうが見えないのは残念だが」
「AV男優じゃああるまいし、その行為を見られるってのはどうも気分が悪い」
僕の返答に友人は笑みを浮かべ、新しい煙草に火を点けた。
「いや、今回はカメラの話じゃあ無いんだ。やはり、あすこのホテルには何か居るね!」
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