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僕は彼女を車に乗せると、特に話もせずに真っ直ぐに噂のホテルへと入った。彼女の方も、何も言わず僕に続いて中に入る。
中は、流石に安いホテルだけあり、壁紙が剥がれている部分が目に付く。のみならずテレビは昔のブラウン管の物だった。僕はカメラの在りかを探してみたが、やはり見付からなかった。
部屋の古さは不気味さを漂わせているが、友人の言う、霊に見られている感覚は全く無かった。
「霊も人を選ぶのだな」
僕の含み笑いを彼女は不思議そうに眺めている。
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