4人が本棚に入れています
本棚に追加
/119ページ
どっか南の島の学校でのこと。
一日を終えて帰ろうとしたが、なにか様子がおかしい。
なんか外に出られないらしい。
どうしたものかとうろたえていると、
校舎が急にボロくなった。
そして敵が徘徊しだした。
見た目や言動は人間そのものだが、なんか敵らしい。
クラスの皆であれやこれやして危機を乗り越え、
夜まで持ちこたえた。
敵は夜は襲ってこない。
俺たちは教室を根城にし、
とりあえず今日を凌げたことを祝った。
すると、外で花火が打ち上がる音と大勢の歓声が聞こえた。
窓から外を見ると、山の向こうから色とりどりの火が吹き出していた。
クラスの一人が言うには、あっちにも学校があるらしい。
あちらさんも似たような状況で、ハデにお祝いしてるのだろう。
俺と数人はベランダに出て花火を眺めた。
手摺はボロボロに錆びていたので、窓に背中を預けながら。
さて中に入ろうかという時に、
ついうっかり朽ちた手摺に体重を預けてしまった。
手摺はそこを起点に全体が崩れ落ちた。
俺も危うく落ちるところだったが、なんとか踏みとどまった。
安堵しながら手摺があった場所を見ると、
そこには朽ちた手摺ではなく、新品同然に光沢を放つ手摺があった。
きっと、こうやって校舎を再生していけば、いつか外に出られるのだろう……。
最初のコメントを投稿しよう!