冷たい胸にキス

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「ごめんね、でもそんなに重い病気じゃないんだ。本当にすぐ治っちゃうの」 「肺炎だって、どうしてすぐに話してくれなかったの?」 悲痛にそう言う彼女の肩に、そうっと手をかける。やめて、と髪を振る彼女を抱きしめた。涙がセーターを、少し濡らしてすぐに冷たくなる。ひっく、ひっくと泣きじゃくる度に、上がるとがった片手。 「本当にごめんね、だって心配させたくなかったから。君は細かいことでとてもうるさいんだもん」 「うるさいって何よ…」 ぐずっ、と胸元で鼻をすする彼女は文句を言いながらも、そろそろと腕をわたしの背中に回して小さく裾をつかむ。思わず頬がゆるむと同時に、この恋人と離れなければならない淋しさを強く感じた。 「それにほら、一応…恋人なんだから当然、でしょ」 「あは、そうだったね……大丈夫、蔦の葉は落ちないよ」
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