第一章

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「トモキさん、恐いです…」 クレアの声にハッ!となり、声がする方を見るとさっきまで淡々と話していたクレアが部屋の角にまで行きガクガクと震えていた。 (一旦落ち着こう、クール、クールになれ俺) そう思って先程まで湯気が昇っていたお茶も冷めては居たが落ち着くにはちょうど良いので、いっきに飲み干す。 (…………ちょっと苦い…) 冷静にはなれたが、思いの外抹茶の1/10のような苦みが口内に広がった。 「ごめん…クレア…もう冷静になった」 そう一声かけて微笑む…が、やはり自分ではどうも引き攣った筋肉を感じ、昨日の夜のような笑顔を向けていないか心配だった。
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