第一章

2/18
前へ
/335ページ
次へ
「知らない天井……では無いな…さっきも見たし…」 あれからどれだけ寝ていたのか? わからないが、外は目が慣れないと見えない程の暗さ、静かで、夜行性だろうか梟のような鳴き声が聞こえる程度だ。 そして、意識を自分の身体に向けると… 「スゥ…スゥ…ンクゥ…スゥ…」 ベッドの右側、俺の手を握りながら椅子で眠る女性の姿。 「ハハ…夢じゃねぇのな…」 小さく呟いたその言葉にあの尖った耳が反応するも、彼女が起きる気配はなかった… 「…まぁ起こすのもしのびないし…」 そう言いつつも、起こさないように右手を彼女からソーッと抜いて、ベッドから抜けだす。 椅子に座りながら寝る彼女をベッドに移動させてあげ、目が慣れた頃合いを見計らい外に出てみた。
/335ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1596人が本棚に入れています
本棚に追加