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例え現実がそうでも、自分で自分を模範的ではないとは、普通は言わないだろう。
昨日なら、分からなかった。
タイムラグが見られたのは、維人も悩んではみたということだろうか。
「気が向いたら、言ってみる」
「それがいい」
維人は、自動販売機と逆の壁に背をついた。
「あれ、ちゃんと持ち帰ってよね」
あたしは紙パックを軽くあごで示し、維人を睨んだ。
維人が肩をすくめる。
「俺の言葉、聞いてなかった?」
「適当な看護士さんにでもあげたら?」
相手の反応は、見ないようにした。
予想は何となくできてしまうから、気恥ずかしくて、紙パックを見ていた。
「気が向いたら、な」
笑いを含んだ声が返って来た。
自分の考えが伝わったのだと、もっと維人を見られなくなって、もっとそっぽを向いた。
「それがいい」
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