最終決戦《急》

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クルードは、すかさずボウガンを構え、晶力を集中させる。 その目は獲物を捕らえる目だ。 「全身全霊、行かせてもらう!!」 術式をボウガンに施し、次々矢を添える。 「紅蓮の火よ!怒涛の水よ!疾空の風よ!轟く大地よ!輝ける陽光よ!無へと誘う闇よ!」 赤、青、緑、黄、そして白黒の矢を放つ。放たれた矢は槍の矢を弾き、デウスエクスマキナ付近に展開するバリアに接触すると同時に、巨大な各色の光の弾となる。 それは尾を引き、重なり、ドリルのようにうねり、渦巻く。 「……世界の力よ集え…そして、放て!!」 クルードが掌を空へとかざしすとクルードの背後に横向きの魔方陣が現れ、銃口のようにバリアを狙う。 「『エレメンタルマスター』!!」 クルードがボウガンの引き金を引くと黄金の巨大な矢が放たれ、回転しながら、渦巻く矢の中心へとゆっくり放たれ、最後には一つの光の槍となってバリアを穿った。 「くっ、効かないのか!?」 しかし、また新たにバリアは張り直される。 「なら、何度もぶっ壊すだけニャ!!」 シルベスタが叫ぶと、ちょうど矢を射た場所へと飛び込み、拳に力をためた。 「今なら思い出せる!ねこにんに伝わる究極の技!!」 シルベスタがバリアに向かって渾身の一撃を仕掛けるも、バリアはビクともしない。 「僕を本気にさせたからには…この世の恐怖を見せてやるニャ!!!」 一撃…ビクともしない 「ニャニャニャニャニャニャ!!」 十撃、五十撃、…まだビクともしない。 「ニャニャニャニャニャニャニャニャァァァ!!!」 しかし、100、1000と増えてくるごとに、少しづつ、少しづつバリアは揺らぎ、5000でバリアにヒビが入った。 シルベスタはそのヒビの一点をめがけ、拳を握り、力を貯める。 「ねこにん直伝の技…」 そして、その拳を正確に、かつ強烈にバリアに叩きつけた。 「キャッツ…!バァ~~~スト!!!」 ドォォォン!! バリアは完全に崩壊し、限界を超えたクルードとシルベスタは仲間達の元へ吹っ飛ばされた。 「おい、クルード、シルビィ!!」 ノウェル達が駆け寄る。命に別状はないが、満身創痍らしい。
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