1章 日常

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銀二「楽しくねぇな…」 銀二は幾つもの死体が転がる戦場の真ん中で途方にくれていた、片手には護身用の拳銃が一丁握られている 「いつまでこの戦争が続くんだろうな」 銀二は戦友の篠原祐一郎(シノハラ ユウイチロウ)に問いかけた 祐一郎「知らねぇよ…こんな無駄に争う事もないのに、何だろうな」 祐一郎は足元に転がっている死体を見て 「コイツとは先日、酒を飲み合ってたんだ、コイツとは戦いたくはなかったけどよ…」 「昨日の友は今日の敵…か」 「あぁ、お前は死んでくれるなよ?後が面倒なんだから」 冗談交じりに祐一郎は言った 「お前なぁ…」 少し笑いながら銀二は空を見上げた、戦争の黒い煙・砂埃・硝煙が混じった地上の戦火とは違う、澄んで綺麗な青い空だ 「21世紀はこんなに汚い世界だったのかねぇ…」 「21世紀?あぁ、確か戦争の少ない平和な時代…って書店の参考書に書いてあったな」 「何でこんなんになっちまったんだろうかね」
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