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「ごめんっ、出掛けにちょっとゴタゴタしちゃって……。」
慌ただしく店内に飛び込んできた加藤君を笑顔で迎える。
慣れっこだからね、なんてけなげな台詞吐いて、昔みたいに笑顔で。
「いや、アイツ一人っ子だし片親だからどんどんワガママになっちまって……、俺のしつけが中途半端だから。」
私の他にもたくさん彼女がいた加藤君。その中の一人が妊娠して、できちゃった結婚をした加藤君は、予想通り早々と離婚をした。予想外だったことは、奥さんが子供を置いて出ていってしまったという事。
全て風の噂で聞いて知っていたけれど、加藤君は親身になって話を聞く私に、苦労話を全てを打ち明けている。
「……それでも加藤君は頑張ってるんでしょう?大丈夫、子供には加藤君の気持ちはちゃんと伝わってるよ。きっと。」
「そうだといいんだけど……。てか、清子ちゃんが今も独身だったなんて。」
「売れ残りです。」
自虐的に笑い飛ばす私に安心したのか、加藤君はますます饒舌になる。
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