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待ち合わせ時間から一時間遅れて、加藤君はその店に飛び込んできた。
今日は小さな居酒屋だ。
「ごめんっ、アイツなかなか風呂に入らなくて……、何飲んでるの?」
私の向かいに座った加藤君がいそいそとメニューを開く。
一時間も待って、メニューなんか丸暗記してしまった。加藤君が開いたページを一緒に覗き込み、彼が好きそうな料理にさりげなく指を指してやる。
「おっ、いいねー。うまそっ、これとこれ頼もう頼もう。」
加藤君の喜ぶツボはまだ全部記憶している。
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