ろく

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きずな君が私の前で立ち止まる回数が日に日に少なくなってきた。 いいの。 わかってるわ。 時は流れて、人は変わるもの。それが人間が言う「成長」ってものなんでしょう? きずな君が成長してゆくのを私は止められないもの。 「ねぇ、これ……《ろく》じゃないんじゃない……?」 「えー?《ろく》だよ。」 「《るく》に見えない……?」 「えー?《るく》なんてもっと変じゃん。」 「……そうだけど。」 一体、私の首輪にどんな文字が書かれているのか、自分では見えないのがもどかしかったけど(もっとも見えたところで私、字読めないし)、赤いランドセルの女の子は、少なくともきずな君よりは鋭いみたい。 ただもう少し愛嬌があるといいわね。笑顔は女の子の最大の武器なのよ。この子はそういったものを持ち合わせてないみたい。
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