正体

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『触らないで。』 カップをテーブルに置いて、ダンボールにのっていた箱をゆっくりと掴む。 それをダンボール箱の中にしまうと、朝霧さんの隣に座ってカップを持った。 『……バレちゃいますね。』 朝霧さんがこっちを向く気配がしたが、私は構わず前を向いたまま話す。 『私、朝霧さんに強い感情を持ってます。 それが、好意なのか敵意なのか分からないんです。 でも…「頼ればいいだろ。 お前は、俺に頼ればいい。」』 私の言葉を遮る朝霧さんをポカンと見つめると、頭をクシャクシャに撫でられて、でも朝霧さんは前を向いたままで。 「それで、好意か敵意か分かったら……、お前の口から聞かせろ。」 口角を上げて意味深な言葉を漏らした。
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