1805人が本棚に入れています
本棚に追加
/224ページ
『触らないで。』
カップをテーブルに置いて、ダンボールにのっていた箱をゆっくりと掴む。
それをダンボール箱の中にしまうと、朝霧さんの隣に座ってカップを持った。
『……バレちゃいますね。』
朝霧さんがこっちを向く気配がしたが、私は構わず前を向いたまま話す。
『私、朝霧さんに強い感情を持ってます。
それが、好意なのか敵意なのか分からないんです。
でも…「頼ればいいだろ。
お前は、俺に頼ればいい。」』
私の言葉を遮る朝霧さんをポカンと見つめると、頭をクシャクシャに撫でられて、でも朝霧さんは前を向いたままで。
「それで、好意か敵意か分かったら……、お前の口から聞かせろ。」
口角を上げて意味深な言葉を漏らした。
最初のコメントを投稿しよう!