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諦めて短い溜め息をはくと、テーブルを拭く手を動かし始める。
私がマスターと呼んでいる人、つまりさっきから私を見つめている人は、佐々木健人さん。
私のバイト先のマスターである。
男の人の割には二重で、ぱっちりとした両目。それでいて両目とバランスのとれている鼻筋。薄い唇。
これで、世の女性達がほっておく訳がない。お店にはマスター目当てに来店するお客さんも多く、売上は上々らしい。
…マスターって無自覚なのかな?
見つめられていることに慣れてしまえば、そんな事を考えてしまう。
「みーちゃん、俺って格好いい?」
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