召喚儀式とローブの男なう。

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「一一一一…はぁ?」 「まぁ、そんな反応になるだろうな。」 俺様一一一一メイフィル=グランデンは目の前のタオル一枚で床に座る男…ハジメを見下しながら、呟いた。 「…いせかい…」 「…お前のいた世界…地球では、魔法なんてないんだろう? …そうだな、例えば一一一一…このような。」 俺様は卓上の隅に追いやられていた燭台に向かって、ファイア、と小さく呟く。 すると言葉の波動に乗り、俺様の魔力の一部は燭台に炎を灯す。 ハジメは「あっ」と小さく声を漏らしていた。 (…本当に魔法を知らないんだな。) 「一一…ここ…ミネルヴァでは、人々は生命力と魔力を持って生まれるのが常だ。日常生活でも多くの状況で魔力は使用されている。」 魔法が生活上大きな役目を担っていることがこの世界の特徴だ、と続けて説明するとハジメは開いた口が閉まらないのか、呆けている。 「まほう…」 「一一…ここまでで何か質問は?」 あまりにも呆けているので、説明を一時中断する。 なんて優しいのだ、俺様。さすが俺様。カッコ良すぎてしびれちゃうね! しばらく自画自賛しているとハジメがゆっくりと正気に返り始め、口を開いた。 「…とりあえず、ここは俺のいた世界じゃないんだな。…異世界・ミネルヴァ…まだ少し信じられないが…魔法の世界、か。」 「そうだ。そして、この世界は今、危機に瀕している。 …だからこその、召喚儀式だ。」
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