一章

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今日、此処で何が起こったのか、なぜ兄は倒れているのか、 2つの疑問が頭の中をぐるぐる回る。 思い出そうとしても、頭痛が するだけ。 状況がわからず、 立ち尽くしていると 遠くから声がした、 「────おい、生存者だ」 「本当だ…女か?」 悪い予感しかしないが、 逃げる気もない、 勝ち目はないし、 逃げ切れたとしても 生きる意味もない 「殺してもいいんだよなァ」 片方がそう言って、 こちらへ向かってきた。 もう片方もついてくる。 「逃げるぞ────!!」 聞こえた声に振り返ったときにはもう手を引かれていた。 .
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