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「ちょっとした用事があって
近くまで来ていたんだ。」
「…そうですか…」
「なあ、きみ、名前は?…
…家は…?」
「名はいろはと申します、
家は…たった一人の家族だった兄が…今…」
そういうと、私を助けてくれた近藤さんは顔を歪めた、
そしてしばらく考え込むと
こう切り出した、
「いろはくん、ウチへ来なさい」
「えっ…」
「なぁに、君一人くらい養えるさそれに此処にいるのは危険だし、放っておいたら君は自害でもしてしまいそうだ、見過ごせないよ。」
「ありがたいのですが、でも…」
正直完全には信用できない。
ただ、ほかに頼れる人も居ないしかといって、ではお願いします、とは言えない
「…む、すまんすまん、
突っ走ってしまったね、
まぁ初対面で会って数分だからな信用できないのも無理はないか…」
私の気持ちを察したのか、近藤さんはまた考え込んでしまう、
「ではせめて君を安全な所まで送らせてくれないか?此処は危険だ離れたほうがいい…
そうだ、私達が居る京に来たまえそれなら近いし…私としても安心できる。」
悩むところだけど…
確かに此処にいたって
何もできないし
送ってもらえるのなら助かる
「宜しくお願い致します…」
私はお願いすることにした、
此処に一人でいても
のたれ死ぬだけだろう
.
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