一章

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「ちょっとした用事があって 近くまで来ていたんだ。」 「…そうですか…」 「なあ、きみ、名前は?… …家は…?」 「名はいろはと申します、 家は…たった一人の家族だった兄が…今…」 そういうと、私を助けてくれた近藤さんは顔を歪めた、 そしてしばらく考え込むと こう切り出した、 「いろはくん、ウチへ来なさい」 「えっ…」 「なぁに、君一人くらい養えるさそれに此処にいるのは危険だし、放っておいたら君は自害でもしてしまいそうだ、見過ごせないよ。」 「ありがたいのですが、でも…」 正直完全には信用できない。 ただ、ほかに頼れる人も居ないしかといって、ではお願いします、とは言えない 「…む、すまんすまん、 突っ走ってしまったね、 まぁ初対面で会って数分だからな信用できないのも無理はないか…」 私の気持ちを察したのか、近藤さんはまた考え込んでしまう、 「ではせめて君を安全な所まで送らせてくれないか?此処は危険だ離れたほうがいい… そうだ、私達が居る京に来たまえそれなら近いし…私としても安心できる。」 悩むところだけど… 確かに此処にいたって 何もできないし 送ってもらえるのなら助かる 「宜しくお願い致します…」 私はお願いすることにした、 此処に一人でいても のたれ死ぬだけだろう .
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