1恋愛症候群

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僕のウォークマンからはgoing steadyの銀河鉄道の夜が流れている。僕は高校2年生の男子。女子が9割を占めるこのクラスでは僕は実はパッとしない性格である。大人しい女子、リーダーシップをとる女子、色々選り取りみどり、のはずだった。一年生の春。誰もが合格気分を満喫していた。ある日クラスメイト同士の自己紹介の機会を設けられた。僕の番だ。僕はここぞとばかりに「肇ちゃんって呼んで下さい!」と威勢良くクラスに投げ掛けた。これは大変ウケたようで、一躍クラスの人気者となったのだった。女子は僕だからと色々許してくれた。一緒に体育の前に着替えたり、携帯番号を聞かれたり。友達も随分と出来た。これで僕の高校デビューは確定した。そう確信した。
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