桜 絵美

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「ジリリリリリリ。」 やってしまった。また寝坊だ。 大和は寝過ごしたと分かった瞬間急ぐことを諦めた。ここまでくれば1分遅れようが30分遅れようが何も変わらない。 学校までの道のりも、タバコを吸いながらのんびり歩いて行った。 到着すると既に時計は9時30分を指していた。 ノックをし教室に入ると見たことのない教師であろう人物が立っていた。 「授業初日に遅刻とは困ったねぇ。まぁ今回だけ何も言わないでおくから座ってください。」 「昨日もだけどな。」 後ろの席あたりから聞こえた。教室中がクスクスと小さな笑いに包まれた。 大和は無表情のまま着席した。 どうやら1限目は数学のようだ。といっても、あと少しで休憩時間だ。 一応教科書を開き黒板を眺めた。数分経ちチャイムがなり休憩時間に入る。 チャイムがなり終わったと同時に3人の男子生徒が大和の前に現れた。 「ちわっす。今日も社長出勤ですか?」 3人の表情からして明らかに挑発していると大和は気付いた。そして、俺はこいつらに何か気に触るようなことをしたか?と考えた。 思いあたるようなことはしていないが、だいたい見当はついた。 「いや、ただの寝坊だよ。」 「転校してきて2日連続で遅刻なんてお前根性入ってんな!お?」 みんながこっちを見ている。
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