プロローグ

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「……ありがとう、圭介。私、幸せだったわ」 今も耳に残る君の声は、優しくて甘いチョコのようだ。 白い煙が青い空に溶けていったあの日の事を、海からの風に長い栗色の髪をなびかせていたあの時の君の横顔を、忘れる事なんて出来る筈がない。 ……俺の中の君との思い出が、走馬灯のように頭を過っていく。 あぁ、確かに、俺達は同じ時代の中で同じ同じ時間を過ごしていた。 ……今も、君は輝いた時間の中に居るんだろうか? 俺は、今を、この時を、必死に生きているよ。 ……俺の事が見えるかい?
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