1人が本棚に入れています
本棚に追加
9月になった。
新学期の始まり。
ボクはずっと、図書館と保健室、教室しか移動していなかった。
たった1人で…。
イジメられていたワケではない。
仲良くなる機会なら、幾つもあった。話す機会なら山ほどあった。
ただ、深入り出来なかっただけ。
受け入れられなかっただけ。
あの頃のボクは弱かった。
まだ後悔していたのだ。
前の友達の方が…なんて比べたりね…。
戸惑いもあったのかもしれない。
前の学校はマンモス校で、とにかく人が多かった。グラウンドも2つあったし、体育館もデカかった。舞台だってあって…。グラウンド近くの公民館では、クラブの時間に茶道をやった。部活だって、バレーや野球、サッカーに…といっぱいあったんだよ。
それなのに、こっちの学校は…。
部活は2つしかないし、グラウンドだって…。そもそもクラスが1つしかない状況。校舎もボロかった。
これじゃ多少のショックがあってもしょうがないだろ。
内心、困惑だらけだよ。
知らない人に、知らない環境。
もうこれ以上、不安になることなんてないって思った。
そんなボクの新しく始まった小学校時代。
お母さんは「リセットだね」って笑っていったけれど、ボクはリセットなんかいらなかったよ…。
こんなに大きく成長した今でも思う。
あの時、あの場所に今もいたら、ボクはどんな風に成長しているんだろう?ってね…。
最初のコメントを投稿しよう!