ボクがキミと出逢うまで

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9月になった。 新学期の始まり。 ボクはずっと、図書館と保健室、教室しか移動していなかった。 たった1人で…。 イジメられていたワケではない。 仲良くなる機会なら、幾つもあった。話す機会なら山ほどあった。 ただ、深入り出来なかっただけ。 受け入れられなかっただけ。 あの頃のボクは弱かった。 まだ後悔していたのだ。 前の友達の方が…なんて比べたりね…。 戸惑いもあったのかもしれない。 前の学校はマンモス校で、とにかく人が多かった。グラウンドも2つあったし、体育館もデカかった。舞台だってあって…。グラウンド近くの公民館では、クラブの時間に茶道をやった。部活だって、バレーや野球、サッカーに…といっぱいあったんだよ。 それなのに、こっちの学校は…。 部活は2つしかないし、グラウンドだって…。そもそもクラスが1つしかない状況。校舎もボロかった。 これじゃ多少のショックがあってもしょうがないだろ。 内心、困惑だらけだよ。 知らない人に、知らない環境。 もうこれ以上、不安になることなんてないって思った。 そんなボクの新しく始まった小学校時代。 お母さんは「リセットだね」って笑っていったけれど、ボクはリセットなんかいらなかったよ…。 こんなに大きく成長した今でも思う。 あの時、あの場所に今もいたら、ボクはどんな風に成長しているんだろう?ってね…。
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