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目を覚ますと俺の横にネコみたいに丸まってスヤスヤと眠る君の姿を発見して思わず頬が緩む
夢みたいなものだと思っていた、こんな近くに君がいるなんて
君の笑顔を独り占めできる日が、こんな瞬間が来るなんて夢だと思ってた
でも、それが現実となって俺の横に横たわっているなんて(嗚呼、俺は)(幸せ過ぎて死にそう)
「んぅ…、あれ?起きてたの?」
「あぁ、さっき目が覚めたとこ」
「ふふ…、人の寝顔眺めるなんて悪趣味ですね」
「だって寝顔可愛いからさ?」
「もう、バカ」
俺の熱い視線に気づいたのか君が目を薄く開いて大きな黒い瞳で俺を見つめて話しかけてきて、それだけで嬉しくて頭を撫でると目を細めながら君が十八番の悪態をつく
それにニヤニヤ笑いながら俺が恥ずかしげもなく恥ずかしがりそうな一言を言えば少し頬を赤くしながら布団を頭まで被る(そういう仕草ひとつひとつが)(、可愛いなんて無自覚なんだろうな)
「あー、寒い寒い」
「最近めっきり寒くなったもんねぇー」
「ふは、おっさんみたいなこといわないでくださいよ」
「俺だっておっさんよ?もう、三十路だしさ」
布団を被ったまま頭だけひょっこりだしては顔をしかめながら俺を見つめてきて少しでも寒くないように俺も布団の中に入って抱きしめれば大人しく俺の腕に収まりすり寄ってくる彼(犬だな、うん)
抵抗をしない彼に気をよくして頭を撫でてその額に口づけては文句の一つでも言われるかと思ったが何も言わずにただ俺にぎゅっと抱き着いてきた
こんな、甘い時間を過ごせるなんて本当に紅花さんは本望です!
激しく互いを求め合って、いやらしく妖艶な君を見るのも好きだけれどやっぱりこういうなんでもないようなことで笑い合って身体を寄せ合っている時間が一番幸せ(だってこんなに甘えるのは)(、絶対に俺だけでしょう?)
「好きだよー、一樹」
「んは、俺だって好きですよ?」
「ねぇ、今幸せ?」
「…幸せだから、貴方といるの」
俺の言葉にくすりと笑えば君から珍しくキスをしてくれてそれに頬を赤くしながら俺は君を抱きしめる力を強くした
しあわせなじかん
(君と俺でつくりあげようか)
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