始まりは突然と

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「ま、まじで言ってんの?」 「う、嘘だよね?山中?」 突然の山中の言葉に 私達は動揺が隠せなかった。 そんな私達を追い込むように 山中はこう言ったのだ。 「本当だよ。 嘘なんかじゃねぇ。 噂は本当なんだ。 あいつは俺達に 復讐するつもりなんだ!」 山中は目に涙を滲ませ ガタガタと震えていた 最初の元気な山中は居ない。 それ程、山中は恐怖を 感じているんだ。 「山中にかかってきたんなら。 私にもかかってくんの?」 「…多分な。」 「いやだ、いやだ! なんであいつに 殺されなきゃだめなの!? 勝手に死んだのは あいつじゃん!」 そう、死んだのは美帆。 でも、そこまで追い込んだのは 私達、クラス。 …いや、この学校すべて。 「ねぇ、由美? あたし、死なないよね? あたし何も悪い事 してないもんね? だって、あいつは 勝手に死んだもんね?」 「………………」 「答えてよ、由美!」 山中の次は 恵子が私の両肩を 掴むとゆさゆさと 揺らしながら叫ぶ。 私は何も言わない。 いや…言えないんだ。 「南、落ち着け。 倉木だって俺達と 一緒で混乱してるんだ。」 「…ごめん。」 山中に宥められ 恵子は私の肩から 手を離した。
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