始まりは突然と

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「…ただいまぁ。」 あれから、教室に 先生が来て、普通に 授業を受け。 普通に、昼食を食べ 普通に、また授業を受け。 そして普通に家に 帰ってきたのだ。 「あら、お帰り。 今日は早かったのね。」 リビングの扉を開くと キッチンに居た母が こちらを向き笑顔で 出迎えてくれた。 「ただいま。 今日は寄り道したい 気分じゃなかったから。」 「そう、今日はお父さんも 早く帰ってくるから 今日は家族三人で ご飯が食べれるわね。」 母はそう言うと 嬉しそうに夕飯の 支度の続きを始めた。 母は専業主婦。 父は刑事だ。 「着替えてくるね。」 'はーい'と言う母の 声に背を向けて 二階にある私の 部屋へと行くために 階段を上がっていく。 この平和が崩れかけている 事に気づかないまま。 そして、これから 知り合う人達の存在にも 気づかないまま。
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