一人目

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一人目

「「「いただきます。」」」 あれから私は 二階に行き部屋に 入るとすぐに部屋着に 着替えてベッドに 横になっていたら 結構な時間が たっていたのだろう。 父が帰って来て 夕飯は三人でとることになった 「由美、最近学校はどうだ?」 「お父さん、それ昨日も 聞かなかった?」 「あれ?そうだったか?」 「もう、あなたったら!」 父は照れたように 頭をかき 母はそんな父を クスクスと笑っていた。 ━プルルルル プルルルル━ 「あら、誰かしら?」 母は笑うのを止めて 立ち上がり 今も鳴り響いている 電話に向かった。 「夕飯時に電話なんて いい迷惑だよ。」 「本当だな。」 私と父がそう話していると 子機を持った母が 私に近づいてきた。 「由美、同じクラスの 山中クンのお母さんから なんだけど、山中クンまだ 帰って来てないらしいの。 どっかに行くとか 言ってなかった?」 「…言ってなかったけど?」 そう返事を私は 返したが私は 山中が朝言っていた噂 思い出した。 もしかして…? いや、ただ遊びに 行ってるかもしれないし と、一人頭の中で 考えていたら 父が'ごちそうさま'と 言い、席を立つと スーツの上着に腕を通した。 「…あれ?お父さん。 どこ行くの?」 「山中クンを探しにな。 一応、刑事だからな。」 そういうと父は玄関に 向かい、いつのまにか 電話を終わらせた母が 父の後をついていった。
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