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怖いけど、目を開けた
わずかな振動と心地良い暖かさを背に感じながら。
『────す、鈴矢くん!!?』
目を開いたら体育倉庫に居た。
しかもお姫様だっこ!!?
『鏡は危ないと言ったはずだ』
呆れ顔の鈴矢を見たのは初めて。
初めて見る顔…初めてこの距離で触れる優しさ───。
優しく降ろしてくれた
『あの…私が鏡を割ったからみんなが───みんながっ…!』
怖さで声が震える私の恐怖を宥めるように、
『わかっている。今の奴らは“鏡の中の住人”だ。
つまりお前の知ってる風羽でも西園でもないんだ』
『やっぱり、なんかおかしいと───』
ガタガタガタッ──!!
激しくドアを揺らす音が二人の間に危険を促す
『外に…偽物の蒼衣達が…?』
『お、お前はコレを持って逃げろ!!!!』
跳び箱台のすぐ横にあった金属バットを力強く渡された。
『所詮は鏡…!割れればただの破片だ!!!』
その時の鈴矢君の目は真実だけを述べているようで従わないわけにはいかなかった。
小さく頷いて私は開けられたドアの隙間を抜け
バットを片手に全力で走った。
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