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そして、母親であるはずの女性は、少女に目を向けてはいない、こっちに気付いていないのか、背中を向けていた。
(だ…れ、あの子?)
いや、正確にはきちんと少女の方を見ている。
研究室のような場所で、ベッドに座る金髪の少女を、介抱している。
とても嬉しそうに、女性は少女に微笑みを贈っていた。
「アリシア、もう大丈夫よ」
(アリシア……違うよママ、アリシアはわたし……ママ、ママ!)
何度も叫ぶが、女性にその声は届かない
(だれなの……あの子は……あの子は)
とても幸せそうな光景に、少女の視界は再び闇に沈む
……あの子は、アリシアじゃない……
………………
………
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