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ボランティアをやった次の日
真夏の太陽が
町全体を
蒸すように日差しを照らしている
今日は平日で
高校生のオレや光香は学校に行かなければならない
そしてオレはサウナ状態の道をダルく歩いていた
うちの学校は
自転車登校が許可されているが
あまり自転車で通う人はいない
なぜなら
途中から長い上り坂になってキツいし
学校についても
玄関と正反対のほうに
自転車置き場があるから
めんどくさいのだ
夏は汗だくになるし
冬は氷が地面に出来ていて
危険だし
という理由で
自転車で登校する人は
ほとんどいない
しばらく歩いていると
見覚えのある姿……
いや
見覚えのある「傘」を見つけた
白色の傘で
少しフリフリした物がついている
……よし
ちょっと驚かすか
前に進んでいる
その傘にそっと近づき
「わっ!!!!!!」
「ひゃぁっ!!!!?」
「よっ 佳苗。」
「ふぇっ!? えっ?柳さん?」
「ああ、柳さんだ。登校するときに会うなんて珍しいな。」
「今日はいつもより遅く家を出ましたからね。」
こいつは
桜ノ宮佳苗
オレや光香のクラスメイトで
中学の頃から仲良くしてる奴だ
顔立ちは良く
スタイルも良い
声も綺麗だし
それに性格もまともだ
日差しが少し苦手ならしく
昼に外に出るときはいつも日傘をしている
「もう、さっきはビックリしました。」
「すまんすまん。」
「許しませんよー。」
「えー。それじゃあ昼休みにプリンおごってやるよ。」
「…それなら、許してあげます!」
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