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ちょっとした遠距離恋愛だったが、
その後、毎週自分から彼に会いにいった。
片道2時間半はかかったが、
ドライブがてら‥という感覚だったので、あまり苦にはならなかった。
元々、運転は好きだし。
初めて一人で行ったとき、
道に迷ってしまい、
市内には入っているのだが
いけどもいけども田んぼしかない。
ついには、アスファルトさえも消えてしまった。
しびれを切らして、
ビー君から電話がはいる。
「どうしたの?大丈夫?」
恥ずかしながら、
迷ったことを伝え、
電話口で道を教えてくれた。
さすがプロなので、
何の目印も無いという
説明なのに、
「大体わかった。その道まっすぐ抜けれるから、突き当たった道を左にでて・・・。」
と説明が素早かった。
「頼りになるなぁ。」
知らない道は、やはり心細い。
なんとか辿り着いた彼の家には両親も一緒に迎えてくれた。
「あらこんばんは!迷ったんだって?迷うような所なんてないんだけどね。面白い子ねぇ。」
お義母さんが言った。
笑いながら言われたので、
冗談かな?とあまり気にはしなかった。
それからお義父さんがにこにこして、
「まぁ寒いからなかに入りなさい」とこたつを指差した。
自慢じゃないが、
こんなちゃらんぽらんな見かけでも、今まで付き合った人の家に遊びに行っても、すぐに受け入れてもらえてきたのは、我ながら特技かなと思う。
普通は金髪で、見た目は派手で・・となると嫌顔されるものだ。
「うちは、気楽にしてもらっていいからね。」
そういって、お酒はのめる?とお義父さんから差し出された。
まったく飲めないわけではなかったので、一杯だけ‥と頂いたが、思いの外緊張していた私は、その後最悪な事態になってしまう。
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