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アイが目星を付けていた
お店の面接にいった。
だが、最初にアイが言っていた内容とははるかに違うものだった。
時給は3千円で余裕でひと月40万は稼げるときいていたが、実際は地元の時給と同じ1200円‥マンスリーのアパートの賃貸料が7万円かかるので、収入なんて微々たるものになる。
その店だけではなく、
期限付きならば、
どこでもそうだといわれた。
‥それなら地元に残り、
家賃なしで働いたほうがよかった。
でもここまで来たし、
仮登録という形で
働くことにした。
食料はコンビニ弁当。
手持ちの2千円は
すぐに底をつきる。
土地勘がないので
ATMの場所すらわからない。
アイは、仕事以外の時間、
その男の人と出掛けていっては、かえってこなかった。
「あたし‥何してんだろう」
アイが出掛ける前に
ビー君に連絡したら?
と携帯を置いていってくれた。
迷わず手に取り
ビー君に電話する。
「もしもし。」
「あっあたしだけど‥」
声を聞いただけで、
安心してしまい、
涙がでそうになった。
あまり人の携帯で
長電話はできないと思い、
今の状況を淡々と話す。
お店が最初の話と、
まったく条件が違うことや、
アイには申し訳なかったが、
正直、男の人がいることを伝えた。
「まってて。すぐ迎えにいくから!そこにいたって意味ないでしょ。夜の10時にはつくから!」
と言って電話が切れた。
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