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お客様がアメリカ軍人に
なっただけの、
スナックと同じだけど。
仕事は歩合制で、
一杯800円のうちの半分が
自分の懐に入る。
飲み物は決まっていて、
ブランデーのショット。
慣れてくれば、高額のお酒でもいいことになっていた。
まぁ、やりがいはあるし、
『外人と話せるなんてかっこいい』なんて思っていたから、苦にはならない。
それよりも、人間関係に恵まれていたからとても楽しかった。
理緒19才。
当時のお気に入りは愛車の、
メタリックブルーのシルビア。
彼氏なし。
・・・いやいや、うそついた。
最近できた彼氏が二人いる。
ノリで付き合い始めた日本人の彼は九つ年上で、なんだかいまいち掴み所のない人だ。
もう一人は、米軍のセキュリティ〈警備〉をしている22才。任期二年で日本に在住している白人だ。
別に真剣に考えているわけではなかったし、お店も失業保険が降りるまでのつなぎで、もうすぐ辞める気でいるから問題はない。
まぁおわかりのとおり、
中途半端な私なのです。
でも、ローンも借金も無いし、毎月家にもお金を入れてるんですよ。
それは、当たり前だって思ってますし、ただパラサイトしているわけではないんです。
その辺は認めてください。
そんな私が、
毎日暇さえあれば思っていることといえば、
『いい出会いが転がってないかな‥』
イケ面が道に転がってようものなら、そのままお持ち帰りしそうだ。
実際そんな事ができるほど人間できてないですけどね‥。
「今日もどーせ暇だし、ドリフトみにいこーっと。」
スリリングな事に物凄く飢えていたのか、走り屋にはまっていた。
といっても自分は野次馬したり、格好だけ真似してるヘタレですが‥
走り屋の中でイケ面を探してみたがいるはずもなく、ただ走りを見るだけに行っていた。
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