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五日程お世話になり、
明日自宅へ帰るという日の夜。
ビー君宅では、
毎日夕食の時、
食卓を囲んでお酒を飲む習慣があるのだろう。
その日も、
皆それぞれ
好きなお酒を飲んでいた。
おもむろにお義父さんが
「理緒さんは、将来はどう考えているのかね?」
「・・将来ですか・・?」
「いやっそんな変な意味じゃなくて‥こいつも真剣に理緒さんとの事を考えていると言っていたものだから。」
ビー君の顔は恥ずかしくて見れなかった。
しかし、
いわれてもまだ付き合って3ヵ月で、その間会った回数も決して多くはない。
「それは‥私も真剣には考えていますが‥」
まだあまり彼の事を、心ゆくまで知りません‥なんていえなかった。
「そうか!それはいい!お互い想い合っているのなら良いことだ。」
お義父さんは、
はははと笑いながら熱燗をぐいっと飲み干した。
「安心した、安心した。
その‥よければ今度、
理緒さんのご両親にあいさつにいきたいのだが。
この前は病院に見舞いに来てくれたと、後から聞いたもので、失礼してしまったから。」
ちょっと、ドライブがてら
海も見たいし、と付け足した。
「わかりました。都合のいい日を聞いておきます。」
「そうか。ははは、よかった。」
あいさつって‥ただのあいさつだよね?
二人は真剣にお付き合いしてますっていうだけだよね。
少し引っ掛かりはあったが、
田舎だしそういうところはきちんとしておかないといけないという考えなんだろうと、このことはあまり深く考えていなかった。
まさか‥あんなことになるなんて‥
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