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「お母さん、向うのご両親があいさつに来たいんだって。」
翌日仕事休みのビー君に送ってもらい、自宅へと帰ってきた。
前の日に言われていたので、
母に話を切り出した。
「ふぅん?‥いったい何の為に?」
不思議そうな母。
「普通にあいさつしたいって言ってたし、観光もしたいって言ってた。」
「まぁ田舎の方は律儀ねぇ。」
(↑さりげなく失礼。)
私と同じ事を母は考えていたようだ。
「いや、てゆーか、
めっちゃ私迷惑かけてるから、
こっちがいかなきゃいけないんじゃないのかな。」
「まぁ、あちら様が来るってゆうんだから、それはねぇ。来たとき謝りましょ。」
からから母が笑う。
「うちは、お客様に上がってもらえないほど散らかってるから、どこかお店を予約しとかないと‥」
そういって、
話はまとまり、
次の日曜日になった。
しかし、
家計が苦しいのは変わらなかったので、というかむしろ、広島にいったせいで時間を無駄にしてしまった。
ビー君には父の知り合いの居酒屋でバイトするといって、スナックへ行きはじめた。
遠距離だからバレル心配もなく働けたが、全く後ろめたい気持ちがないわけではなかった。
余計な心配をかけないようにすることが、彼への償いだった。
そしてすぐに、
おたがいの両親が対面する日を迎えた。
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