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「あぁ~最高~♪」
興奮冷め止まぬ勢いで、
ガンガンお気に入りの曲を鳴らしながら峠を降りる。
間近で見るドリフトの迫力に
相当とりつかれていた。
曲にノッて自分も歌いながら深夜の県道を走る。
その時、携帯の着信が入る。
アイからだった。
「もっしんぐー。」
『あっもっしもーし。ねぇねぇ暇?今から出てこれる?』
「暇っちゃ暇だけど、ちょい眠いから帰って寝るよ~。」
『今ね、私と彼氏の同棲記念に彼氏の友達とカラオケきてんだけど、盛り上がんなくてさぁ~!困ってんだってー!気合いで来てよ!』
「勘弁~眠いし、今わたし、男たりてますし。」
『この前もう別れるって言ってたじゃん!あんたのこと気に入ってる人がいるんだって!』
「それおいしい?」
『見てから考えなよぉ。ついたらまた電話して。』
‥ぶっちゃけだるいなぁ。
アイの合コンは
アイがいつもメインだったからつまんないんだよなぁ。
‥まてよ?気に入ってる人がいる?私を?
気になるぅぅぅ~!!
次の瞬間ハンドルを握り直し、アクセルは踏まれていた。
「いい出会いがあるかもしれないし♪」
フンフン♪
テンションが上がってきたのか、鼻歌がでる。
5分程でカラオケの前にいたが、化粧もノーメイク同然だったので急いで車の中でした。
そうしていると、
アイから催促の電話が鳴る。
『ねぇまぁだ!?』
「もうついたよー!部屋はどこ?」
『なぁんだ安心した。部屋は213号室だよ!』
「わかった。すぐいくね!」
切ったそばから、
ばたばたと階段を駆け上がる。
アイは登った先で待っていてくれた。
「もうすぐオーダーストップだって!今日はおごりだからいっぱい頼みなよ!」
「あぁーうん。」
さて気持ちを切り替えて‥っと。
「こんばんは~」
入った先には、
酔っ払いが熱唱の真っ最中でとても私の声なんて聞こえてなかった。
唯一気付いたのは、
アイの彼氏で『久しぶり』と声をかけてくれた。
やばい‥押されてる‥
感じた私は「喉乾いた~」といってメニュー表と真っ先にお友達になった。
ダメやん‥私。
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