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程なくして曲は歌いおわり、
つぎの曲は予約がされていないのか鳴らなくなった。
〈チャーンス!〉
「遅れました~かんぱぁ~い!」
ちゃっかり頼んであった
グラスを手に勢いで言った。
『かんぱーい!!』
みんなノリノリだったので、ほっとする。
「それ、何飲んでるの?」
アイの彼の
ジモ友の一人が聞いてきた。
金髪で小柄な彼はかなり出来上がってる様子で、
聞いてもいないのに
「これ?これは梅酒ッ!!」とケラケラ笑った。
「あーこれパッソアだよ。今はまってるんだ。」
「ぱ?‥パソァ?そんな洒落た酒より、梅酒がうめーよー!」
「それロック?何杯目?」
「わかんない。あはは~持ってくるの遅いし梅酒ピッチャーで頼んでみるわー」
といって室内電話を鳴らす。
しばらくして、
「ええ!?なんで?いーやん!?‥ふーん‥じゃ波々ついできてー」
ピッチャーは失敗したようだが、
持ってこられた波々の梅酒がよほどうれしいのか、にやにやしながら彼は口にしていた。
そう。
彼が将来、私の旦那となる人である。
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