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ついた先は、
本当にそれは見渡すかぎりの
山だった。
人が賑わう街中から、
二十分は一本道を走ってきた。
通う車は、
貨物のトラックか地元の人くらい。
「ついたよ!」
アイの彼が車を停めた。
「小学校!?」
「そう。町民運動会は毎年小学校であってるんだ。」
そこは少し小高い丘にある小学校で、登り斜面いっぱいに車がびっしりと停まっている。
まだ入り切れずに路駐をしている車もたくさんあった。
町中総出で行なわれているのだと知り、ほのぼのさに暖かさを感じた反面、その雰囲気に戸惑う私もいた。
アイは慣れているように、
「あたし彼の両親にあいさつにいってくるね。」
そそくさといってしまった。
とりのこされた私達は、
とりあえず会場がよく見えるところにいこうと階段の一番上に座った。
その時の私の格好は、
コーデュロイのミニのスカートにタートルネックのセーターをきていたのだが、なんだかまわりの視線が痛い感じがした。
「変な感じ‥」
とりあえず一服しよう。
火を点けて二口くらい肺に入れたとき、下から勢い良くビー君が駆け上がってきた。
「あっもう走ったの?」
「いや、今からなんだけど‥その‥たばこ隠れてね?親もみてるし、おまえ達目立つから‥よろしくね」
それだけ言うと、
引き返していってしまった。
つーまんないっ。
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