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───9年後 「おはよう、行ってくるね」 僕、水無月 智亜が写真の前で挨拶をしたのは 弟─乃亜。 乃亜は僕の一つ下で 小学生のころ、スキー授業で行ったスキー場で 遭難してしまった。 原因は、乃亜の単独行動によるものであったという。 だけど、いくら捜しても乃亜は見つからず 1ヶ月も捜索した結果、もう生きている可能性はないだろうと判断し、捜索は打ち切り。 もう兄弟4人で星をみることは出来なくなってしまった…。 すごく悲しかったし 辛かった。 でも兄ちゃんたちもみんなも悲しいんだ。 前を向かなきゃ乃亜に失礼だ。 「よしっ」 返事をしてくれただろうと思い、僕は立ち上がり玄関に向かった。 「じゃあ行ってきまーす!」 「ちょっと待て智亜。寝ぐせができてる」 そういって僕の寝ぐせをなおしてくれてるのは、次男の璃亜兄。 大学1年生で天文学を学んでいる。 「よし、出来た。今日も完璧だ」 「ありがとう!」 「あー!待ってくれ智亜!一緒に行こう」 慌てて玄関にかけてきたのは、長男の優亜兄。 塾の講師をしている。 弟の僕から見てもこの二人は超イケメンだ。 ホストになったら絶対No.1だね、どっちも。 「行ってきまーす!」 「璃亜、お前も遅刻するなよ?」 「わかってるから。さっさと行きなって」 「へいへーい」 乃亜、今日も晴天です! *
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