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「なのでおれは……あそこでいいです」
「…ベッドの脇の一段棚の引き出し?」
「はい。そのスペースがいいです」
「・・・はいはい」
そういって僕は寝床をつくってあげた。
「どうぞ」
「ありがとうございます。ではおやすみなさい」
「おやすみ!」
・・・・・・って、もう!?
僕も電気を消してベッドに潜り込む。
「・・・ちあくん、ごめんなさい。いきなりでご迷惑でしたよね…」
「え?」
「でもおれ、父との約束をまもりたいんです」
「約、束…?」
「・・・」
………ん?
布団から顔を出し、引き出しの中を見てみると
…もう寝てました。
「はやっ!!言うだけ言って寝るんかい!!」
翌朝
「おはよう智亜……と、その大きい毛玉は?」
「いや毛玉じゃないから!これグレイ」
「は!?グレイ!?」
「たっだいまー」
僕たちの会話を断ち切るように玄関から現れたのは
長男の優亜兄だった。
「おかえり優亜兄!」
「ただいま智亜ー。ほらお土産♪」
「ありがとう!」
「ん?智亜、それなんだ?」
「これ?モルモットだよ!名前はグレイ、悪魔なんだ」
「そうかグレイって言うのかー」
優亜兄が人差し指でなでなですると
もぞっ
グレイが起きちゃいました。
「んむ・・・?」
ボフンッ
煙とともに現れたのは
「おはようございますお二人とも。そしてはじめまして、悪魔のグレイと申します」
「「・・・・え、うえーー!!??」」
2人の兄が、ひっくり返りました。
乃亜、今は曇ってるけど
午後から晴れるみたいです!
そして僕たちの
非日常的な物語ははじまるのであった──。
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