episode0

11/11
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/20ページ
「なのでおれは……あそこでいいです」 「…ベッドの脇の一段棚の引き出し?」 「はい。そのスペースがいいです」 「・・・はいはい」 そういって僕は寝床をつくってあげた。 「どうぞ」 「ありがとうございます。ではおやすみなさい」 「おやすみ!」 ・・・・・・って、もう!? 僕も電気を消してベッドに潜り込む。 「・・・ちあくん、ごめんなさい。いきなりでご迷惑でしたよね…」 「え?」 「でもおれ、父との約束をまもりたいんです」 「約、束…?」 「・・・」 ………ん? 布団から顔を出し、引き出しの中を見てみると …もう寝てました。 「はやっ!!言うだけ言って寝るんかい!!」 翌朝 「おはよう智亜……と、その大きい毛玉は?」 「いや毛玉じゃないから!これグレイ」 「は!?グレイ!?」 「たっだいまー」 僕たちの会話を断ち切るように玄関から現れたのは 長男の優亜兄だった。 「おかえり優亜兄!」 「ただいま智亜ー。ほらお土産♪」 「ありがとう!」 「ん?智亜、それなんだ?」 「これ?モルモットだよ!名前はグレイ、悪魔なんだ」 「そうかグレイって言うのかー」 優亜兄が人差し指でなでなですると もぞっ グレイが起きちゃいました。 「んむ・・・?」 ボフンッ 煙とともに現れたのは 「おはようございますお二人とも。そしてはじめまして、悪魔のグレイと申します」 「「・・・・え、うえーー!!??」」 2人の兄が、ひっくり返りました。 乃亜、今は曇ってるけど 午後から晴れるみたいです! そして僕たちの 非日常的な物語ははじまるのであった──。 *
/20ページ

最初のコメントを投稿しよう!